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大学礼拝「平和を実現する人々は幸いである」2019/5/28

カテゴリー:大学礼拝

【マタイによる福音書5:9】
5:9 平和を実現する人々は、幸いである、/その人たちは神の子と呼ばれる。

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今年も5月3日「憲法記念日」を迎えました。ゴールデン・ウイーク中だったので、知らないうちに過ぎてしまったと思っている人もいるかもしれません。

でもこの日は大切な日です。「日本国憲法」が1946(昭和21)年11月3日に公布され、1947(昭和22)年5月3日に施行されたことを記念して、1948(昭和23)年に「憲法記念日」という祝日に制定されました。

第2次世界大戦後、制定された「日本国憲法」は、戦前まであった明治時代に制定された「大日本帝国憲法」とは、大きく変わりました。「日本国憲法」が制定された目的は、民主国家をつくりあげ、2度と侵略戦争を起こさないためです。「日本国憲法」には三大原則があります。まず第1は主権が天皇から国民に移ったこと、国のあり方を決める政治の主役は天皇ではなく国民であるということです。国民主権です。第2は「基本的人権の尊重」です。これは人が人間らしく生きる権利を尊重することです。この権利の中には自由権、平等権、社会権(生存権)、参政権、請求権などがあります。第3は「平和主義」です。世界平和のために日本は戦争をしない、戦争を放棄すること。憲法第9条を守ることがとても大切なことです。現在、憲法第9条の改正が取り沙汰されていますが、わたしたちはしっかり憲法第9条を守っていく責任があります。憲法は主権者であるわたしたち国民が、国を、そして政府を縛るものであることを忘れないようにしたいものです。

先の大戦の犠牲者はアジアで2,000万人以上、国内で300万人以上と言われています。人間の為す愚かな争いは、なくさなければなりません。

紀元前8世紀後半のユダの預言者イザヤはこう言っています。
「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう。」(イザヤ2:4~5)

イエスさまは「平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」と言われました。わたしたちは礼拝の中で「主の平和」と言って、お互いに「平和の挨拶」を交わします。すべての人の間で神さまの愛が感じられる時、人が作る平和ではなく、神さまからの平和がやってきます。わたしたちはその平和を実現するために、今何をすればいいのでしょうか。わたしたちに出来ることを、小さなことでもいいから見つけ出して実行していきましょう。 (チャプレン 主教 大西修)

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