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大学礼拝「アドベント(降臨節・待降節)について」2019/12/3

カテゴリー:大学礼拝

11月中旬から2週間にわたって行われた、1年生の幼稚園や子ども園での教育実習、2年生の保育園での保育実習が終わり一息ついたところですね。どうでしたか。とても長く感じた。楽しくて短く感じた、もっと続けたかった。思ったようにいかなくて、自信をなくしそう、しんどかった。子どもたち、先生方、保護者の方とのコミュニケ―ションがとても難しかった。ピアノがうまく弾けなかった等々、たくさんの感想、そして反省点が見つかったのではないでしょうか。その貴重な経験をプラスに考えて次の機会に生かしてください。2年生は4月から現場の保育士、幼稚園教諭としての働きが始まります。残された4か月を大切に準備の時として有意義に過ごしてください。

さて、キリスト教の教会には教会暦というカレンダーがあります。このカレンダーはクリスチャンの生活にとって大切なものです。なぜなら教会暦というカレンダーに従ってクリスチャンは1年を過ごすからです。このカレンダーの中で皆さんがよく知っているものがあります。12月25日のクリスマスイエス・キリストのお誕生を祝う日)、復活日(イエス・キリストの復活を祝う日、3月21日以後の満月の後の最初の日曜日)、キリスト教と関係なく日本で有名になった2月14日の聖バレンタイン日(バレンタインデー)、母の日(5月の第2日曜日)など、そのほかにもたくさんあります。

教会暦はクリスマスと復活日を軸にして、1年間に約50ある主日(日曜日)で組み立てられています。

教会暦のお正月(新年)は今年で言うと12月1日(クリスマス前の4つ目の主日~降臨節第1主日~)です。残る3つの日曜日(12/8、12/15、12/22)を経て、クリスマスを迎えます。言い換えると、教会暦はクリスマスを迎える準備の時から始まります。この4週間をアドベント(降臨節、降待節)とも言います。アドベントとは「来る、接近する」という意味のラテン語です。クリスマスは言うまでもなく神の御子イエスがキリスト(救世主、救い主)として、人類に平和をもたらすためにお生まれになったことを喜び祝う日です。

素晴らしい日を迎えるためには準備が必要です。ですから、クリスマスを本当に素晴らしい日として迎えるために、わたしたちがなすべき準備は、心をきれいにすること、悔い改めることです。神さまの前に自分の罪を告白し、それを赦していただき、自己中心的な生き方から、他の人々にも思いを寄せる生き方へと変えていただくのです。そうすることによって、心が美しくなり、クリスマスがもっともっと素晴らしい日になります。教会ではこの準備の期節に祭色として紫色を使います。祭壇や説教壇にかけられている聖布、聖職が着る祭服やストールも紫色です。紫は慎み、悔い改め、懺悔などを表わす色です。そしてこの4週間は祭壇に花を飾りません。クリスマスに心から大きな喜びを表わすための準備の時をそのようにして過ごします。クリスマスは勝利と祝福と喜びを表す白の祭色を用い、きれいな花を飾ってお祝いします。復活日はキリスト教での最大のお祝いの日ですから、祭色は勝利と祝福と純潔と喜びを表す白、花は復活のシンボルである百合の花を飾ることが多いです。

この復活日を迎える準備の期節を教会暦では大斎節(受難節、四旬節)~レント~と呼んでいます。やはり祭色は紫を用います。イエスが捕らえられ、鞭うたれ、十字架につけられた出来事(聖金曜日、受苦日)もこの時にあたりますが、この日の祭色は血の色である赤を用います。

ところで今、花屋や街のあちこちに真っ赤なポインセチアが美しく飾られています。ポインセチアは日の光を受けて成長しますが、昼間12時間は明るい所で、そして夜間12時間は真っ暗なところで1か月間を過ごすことによって、あのように目の覚めるような赤い色になるのです。何気なく見ていますが、そのように目に見えない大変な準備の時があって、あのようにきれいな赤になるのです。

わたしたちの生活もしっかり準備され、計画されたカレンダーがある時、人生の実りある結果を手にすることができます。教会暦というカレンダーは、わたしたちが何を目標に歩んで行けばよいのかという指標を与えてくれるものです。そしてなぜ生きるのか、生きる意味は一体なんなのかを、絶えず考えさせてくれるものです。

皆さんはどんな暦(カレンダー)に従って日々の生活をしていますか。(チャプレン大西 修)


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