●前奏 奏楽: 三輪 雅美 准教授
●聖語
神はその独り子を賜ったほどに、この世を愛してくださった。それは、み子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。(ヨハネによる福音書3:16)
●初めの祈り
主よ、わたしたちの口を開いてください
わたしたちは、主の誉れを現します
栄光は父と子と聖霊に
初めのように、今も、世々に限りなく アーメン
主をほめたたえましょう
主のみ名をたたえます
●マリアの賛歌 ルカ 1:46-55
1 わたしの魂は主をあがめ|| わたしの霊は救い主である神を喜びたたえる
2 神はこの貧しい女にも|| 目を留められた
3 今から後、いつの世の人も|| わたしを幸いな女と呼ぶ
4 力ある方が|| わたしに偉大なみ業をなさったから
5 主のみ名は聖|| その憐れみは世々、主を敬い畏れる人に
6 主はみ腕の力を振るい|| 思い上がるものを打ち散らし
7 権力を振るう者をその座から下ろし|| 身分の低い人を引き上げ
8 飢えた人を良い物で満たし|| 富んでいる人をむなしく追い返される
9 神は父祖アブラハムとその子孫に|| 永遠に約束されたように
10 憐れみを忘れず|| 僕イスラエルを助けられた
栄光は|| 父と子と聖霊に
初めのように、今も|| 世々に限りなく アーメン
●聖書
その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。 天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」
天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。 (ルカによる福音書 2:8-16)
●クリスマスメッセージ:チャプレン 司祭 ヨハネ 相原太郎
サンタクロースのイメージの一つに、プレゼントを渡すために一軒一軒を訪ねるというものがあると思います。空を飛んで世界中の家に贈り物を届けるサンタ。しかし、そんなサンタさんが、わざわざ一軒一軒をたずねること。このようなサンタのイメージは、クリスマスの本来の物語につながるものだと思っています。
サンタクロースは、クリスマスイブの夜、全世界の家にプレゼントを配ります。魔法のようです。しかし、サンタさんは魔法を使って空から一気にプレゼントを配ることはありません。宅配便を使うこともしません。あるいは、自分のいるところに来なさいと、サンタがみんなを呼び集めることもありません。サンタクロースは自ら一軒一軒を探し出し、訪ね歩いてプレゼントを渡します。
そして大事なことは、サンタクロースは良い子のところだけ、世間的に評価されている人にだけ、プレゼントを持っていくのではないということです。というのも、サンタクロースのイメージ、原型、オリジナルは、聖ニコラスだからです。
聖ニコラスは、現在のトルコのミュラという町でキリスト教の指導者として活躍した人物です。彼の伝説の一つに、生活苦に陥っていた貧しい家族の子どもたちのことに心を痛め、夜、その家を訪ね、窓から布に包んだ金塊を投げ入れた、というものがあります。これが、現在のサンタクロースのイメージの元となっている伝説と言われています。
このように、サンタクロースは、世間的には見向きもされない人、価値の低いと思われている人、あるいは、良い子と思われない子どものことを知り、心を痛め、そして、出向いて行ってプレゼントを贈ること、それが本来のサンタクロースの姿でありましょう。どんなダメな子のところにも訪れる、むしろ、ダメな子と思われている子を探し出して、あなたは大切な存在なのだ、というしるしとして、贈り物をするというのが、サンタクロースの本質とも言えます。
先ほど、読まれました聖書は、羊飼いたちにイエス・キリストの誕生が知らされたという場面です。キリストの誕生が真っ先に神さまから知らされたのは、野宿をしていた羊飼いであったということです。羊の番をしている羊飼いと言いますと、のどかで優雅に暮らす人々というイメージを持つかもしれません。しかしながら、当時の羊飼いたちの暮らしはそういうことではなかったようです。
羊飼いたちは野宿をして羊の番をしていました。野宿とは文字通り外で寝ることです。つまり彼らは、現代風に言えば路上生活者です。実際彼らは、羊に餌を食べさせるため、常に牧草を求めて移動しなければならず、どこかに家を構えて定住することができませんでした。また、羊飼いは生き物の死体を扱うことにもなるため、汚れた存在とも見られていました。このようなことで、羊飼いたちは人々から見下され、諦めと自己否定、恐れと不安の中で過ごしていました。
しかし、救い主であるイエスが誕生したという喜びの知らせを、神さまが真っ先に知らせたのは、このような羊飼いたちでありました。人々から見下され、孤立し、辛く寂しい思いをしていた羊飼い。そんな羊飼いたちを神は自ら探し出し、喜びの知らせを告げたのでありました。
神の使いが近づくと、羊飼いたちは恐れました。羊飼いたちは、まさか、こんな自分たちのところに神の使いがわざわざ訪ねてくるはずがない、そんな輝かしい知らせが自分たちのところに来るはずがないと思いました。しかし、神の使いは羊飼いたちに「恐れるな」と語りかけます。それはすなわち、あなたたちはもう恐れないでいい、あなたたちのためにこそ救い主は生まれるのだ、神はあなたたちと共におられるのだ、ということを意味します。暗闇の中にあった羊飼いたちに、あなたたちはもう一人ではないと、神の使いは告げるわけです。
サンタクロースからのプレゼントも本来そのようなものであると思います。クリスマスの日、サンタクロースによってプレゼントが届けられたとき、その人は自分が一人ではないということを知らされます。自分のことを大切にしてくれる、愛してくれる人がどこかにいて、見守っていてくれる、そして、こんな私をわざわざ探し出して尋ねてくれる。そのことが、サンタさんからのクリスマス・プレゼントのエッセンスでありましょう。
今年1年も、私たちはコロナ禍に悩まされ、不安な日々を過ごしてきました。そして、今も、様々な不安、悲しみ、痛みを負って、孤独のうちに過ごされている方もいらっしゃると思います。そんな一人一人を神様は自ら探し出し、そして、あなたは一人ではないというメッセージを届けます。それがクリスマスの出来事です。皆様お一人お一人が、よいクリスマスの時を過ごされることをお祈りしております。
●聖歌 第81番「神には栄え」
●奉献の祈り
全能の父なる神よ、この信施を受け、主のみ業のために用いてください
すべてのものは主の賜物。わたしたちは主から受けて主にささげたのです アーメン
●点火の祈り
大いなる光を造られた主が、豊かな憐れみによってわたしたちの心の闇を照らし、喜びに目覚めさせてくださいますように
アーメン
光の源である主の輝きによって、救いの光が世の隅々にまでゆきわたりますように
アーメン
義の太陽であるキリストが皆さんを照らし、行く道の闇を取り除いてくださいますよう
アーメン
●主の祈り
天におられるわたしたちの父よ、
み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、
悪からお救いください。
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。 アーメン
●降誕日特祷
全能の神よ、み子の訪れによってわたしたちを清め、心の闇を照らしてください。主が来られるとき、主にふさわしいみ住まいを、常にわたしたちのうちに備えることができますように、父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられる主イエス・キリストによってお願いいたします。
アーメン
●平安のため
すべての聖なる望み、良い思い、正しい業のもとである神よ、この世の与え得ない平安をわたしたちにお与えください。わたしたちがみ心にすべてをゆだね、み力によりあだを恐れず、安らかに日々を過ごすことができますように、救い主イエス・キリストのいさおによってお願いいたします。
アーメン
●諸祈祷
名古屋柳城女子大学・名古屋柳城短期大学のために祈りましょう
全能の神よ、わたしたちはただ主の賜物によってまことの知恵を得ることができます。どうか、み名によって建てられた名古屋柳城女子大学・名古屋柳城短期大学に恵みを下し、教える者と学ぶ者を祝福して、共に知識を深め、主の真理を悟り、愛をもって互いに仕え、謙遜な心で唯一の神を仰ぐことができるようにしてください。主イエス・キリストによってお願いいたします アーメン
新型コロナウイルスや東日本大震災の自然災害によって被害に遭われた方々を思い、ともに祈りましょう
慈しみ深い神よ、新型コロナウイルスや相次ぐ自然災害によって命を失った人々のために祈ります。どうか彼らがあなたの御手の中で安らかに憩うことができますように。家族を失った人々に主の慰めが与えられますように。また、今もなお苦しみ、不安の中にある人々に、勇気と希望をお与えください。そして、わたしたちも、この人々のことをいつも思い出し、助け合う心を持つことができますように。主イエス・キリストによってお願いいたします アーメン
●祝祷
●聖歌 第74番「きよしこの夜」
●後奏