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大学礼拝「子供のようになる」2018/7/18

カテゴリー:大学礼拝

【ルカによる福音書18:15-17】
18:15 イエスに触れていただくために、人々は乳飲み子までも連れて来た。弟子たちは、これを見て叱った。
18:16 しかし、イエスは乳飲み子たちを呼び寄せて言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。
18:17 はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」

イエスさまは弟子たちの常識的な考え方を覆されました。小さく弱くこの世で無視されているような者への深い思いと行動こそが、神の愛の働きであると教えられたのです。

子供のようになるとはどういうことでしょうか?

「そんな子供っぽいことをして!」と叱られたことはありませんか。それとは逆に「もっと大人になりなさい。」と言われたこともあるのではないでしょうか。この言葉の中に大人は子供より偉い、優れているといった先入観があるように思われます。

子供が持っている特性をいくつか挙げることができます。バプテスト連盟東山キリスト教会の牧師であり、教育評論家であった玉木 功先生(2012.1.28.逝去、84歳)の「子どもの声が」という教育エッセイの中にそれが書かれています。

信頼、素直さ、純粋さ、優しさ、感受性、環境への順応、開放性などがそれです。これらは成長してから身につける学問や知識にもまして、神の国で喜ばれるものです。

信頼とは疑わないこと。大人はまず疑います。子供は疑いませんので、全幅の信頼を大人に、ことに母親父親に、そして教師、保育者に寄せます。

素直さとは愛情を素直に受け入れること。人の愛情を目の動きで、言葉(口)で、体の動き(行動)で受け入れていきます。

純粋さとはありのままを受け止めること、こうすればああなる、だからやめておこうなどといった損得勘定をしたり、利害関係にとらわれないことです。

優しさとは小さな命に対する心のこもって思いやりと溢れる優しさ。踏みつけて殺してしまいそうな小さな虫をも大切に守り育てることなど。

感受性が豊かなこと。身の回りのどんな小さなことにも、驚きと感動の態度を示します。大人が忘れてしまったTHE SENSE OF WONDERをしっかり保持しています。

環境への順応が早い。親や保育者・先生の態度(言葉遣い~しゃべり方、イントネーション、身のこなし方)が似てきて、身についてくる。親は自分の姿を子供から教えられます。

開放性とはいつも何かにとらわれず、生き生きとしていること。

これらの特性を認めることは、子供のすべてが素晴らしいということではありません。これらの特性を持っている子供の成長を見守りながら、共に歩むことが保育の営みです。子供の特性に触れつつ、そこから教えられ、大人は子供と共に生き成長していきます。

教育実習、保育実習、施設実習の機会を通して、これらのことを実際の現場で経験していってほしいと願っています。(チャプレン大西 修)


ポーチュラカとアシナガバチ

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